お金の仲介者 money go-between 2003 5 28
もう、タンス株というものは、なくなったのでしょうか。
タンスのなかにしまい忘れている株券のことです。
そのかわり、タンス預金というものがあるらしいですね。
また、貸金庫にお金を預けている人もいるかもしれない。
確かにそうすれば、お金を家に置いておくより安全であるし、
また、将来、ペイオフが実施された時も安全です。
今の預金金利は、ゼロ金利に近いですから、貸金庫と変わりないかもしれません。
しかし、貸金庫に預けておくのも、タンス預金の一種でしょう。
さらに、金や金貨を買っておくことも、タンス預金の変形かもしれない。
いずれにせよ、お金が滞留して、市場に出回らないことになります。
そもそも、日本において、最初の銀行の出発点は、
金持ちが蔵の中やタンスにしまい込んでいたお金を集めて、
これを資金として、産業や工業の振興のための資金としたのが出発点だったのです。
ところが、お金を集めるまでは、銀行の出発点と変わりないのですが、
いつの間にか、土地がないと、資金を貸さないということになってしまった。
昔は、どうだったのでしょうか。
確かに担保となるものは、要求したでしょうが、
今の時代のように、判で押したように、土地を求めたのでしょうか。
もっと昔にさかのぼって、江戸時代はどうだったのでしょうか。
江戸時代にも、事業の資金を融資することは行なわれていたでしょうが、
不動産担保融資が盛んだったのでしょうか。
今後、デフレが何年続くか、わかりませんが、
今のままでは、過去10年間続いてきたのだから、
今後も10年間続く可能性があります。
人によっては、21世紀はデフレの世紀であるとして、本まで出版しています。
しかも、今までは、バブル時代の余韻がありましたが、
このまま何もしないで、加えて政策ミスなどをすれば、
穏やかなデフレが、固定化しつつ、ゆっくりと加速するデフレに変ります。
さらにデフレが、デフレのいない分野を探して、そこにも住み着くことになるでしょう。
このような状況になってしまうと、不動産そのものがリスクの存在となります。
だからかもしれないが、投資家によっては、国債を大量に購入しています。
今後10年間デフレが続くとして、たとえば毎年3%のデフレが10年間続くとすると、
国債の額面が絶対的に保証されるというのならば、
確かに国債の価値は、相対的にかなり上がり、国債の発行者は苦しくなります。
投資家は喜ぶでしょう。
しかし、こうなると国債の発行者は、インフレをやらざるを得なくなります。
そうすると、加速するインフレ下で、国債の所有者はどうなるのかを検討する必要があります。
それにしても、銀行が、資金を融資という形で市場に流さず、
国債を大量にため込んでいると言うことは、
庶民のタンス預金と同じで、
銀行がタンス預金をすると言うことは、国債を買うことなのです。
それにしても、新聞によると、
埼玉りそなは、公的資金注入とは関係なく、
好決算を発表し、かつ自己資本比率が高く、不良債権比率がかなり低いとのことです。
これは、ボーナスを増やす理由にはなっても、全額カットする理由にはならないのです。
しかし、ボーナスを全額カットするらしいということは、
りそなグループのどこか一部でも悪く、失敗すると、
グループの構成員は全員で、連帯責任を取らされるということでしょうか。
そういえば、他のメガバンクが、決算発表の席で、
日経平均株価が5,000円になっても当行は問題ないと発表していましたが、
もし、本当に5,000円になったら、生命保険会社は、どうなるのでしょうか。
そして、生命保険会社とコインの裏と表の関係にある銀行はどうなるのでしょうか。